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Happiness day

第21章 とまどいながら

「俺ね?今日、図書委員初仕事なんだ」

「今までは違かったんですか?」

「うん。去年1年間、毎日昼寝しに来てたら
先生から『来年は図書委員な?』って言われて
てっきり冗談かと思ったから『いいですよ』なんて答えたら、マジだった」

苦笑いを浮かべるカレに少し同情
軽く返した言葉で委員をやらされるなんて

「それは災難でしたね」

「ん〜…最初はね、そう思ったけど
いい事もあったから、引き受けて良かったよ」

「いい事?」

「そう、いい事。
好きだったこの場所が、もっと好きになった」

「ボクと一緒だ」

本の沢山あるこの場所が、カレの存在のおかげでもっと好きになった

「へぇ〜、そうなんだ」

嬉しそうに笑うカレ

「あの、名前教えて貰ってもいいですか?」

これからもこの場所で会うであろうカレの名を知りたかった

「大野智だよ。よろしくね?翔くん」

『翔くん』と下の名前で呼ばれた事に、親近感が沸く

「よろしくお願いします、大野さん」

ニコッと笑いながら、手続きの終わった本を差し出された

「また明日ね?」

本を受け取り、笑顔で返す

「はい。また明日」

ここに来るのが、益々楽しみになった

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