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Happiness day

第21章 とまどいながら

その日からボクたちは、色々な事を話すようになった

最初に聞いたのは、なんでいつも寝てばかりの大野さんが、ボクの存在に気付いたのか

「なんか視線感じる…って思ったのが最初。
んで、時間を空けてからチラッとそっちを見たら
目の大きな子が、本を読みながら百面相してて
可愛いなぁ、って思って見てた」

「えっ⁉︎ボク、百面相なんてしてました⁈」

恥ずかしい…

本の世界に入り込むと、周りが見えなくなるっていうのは、よく母さんからも言われてた
でもまさか、表情にまで出ていたなんて…

「してたよ?だから、どんな本読んでるのか気になった
そんなに面白い本なら読んでみようかな、って」

「大野さんは、ここにいるのに本読んでないですもんね」

「うん。ここは昼寝する場所だと思ってるから
でも、翔くんが紹介してくれるなら、読んでみようかな?」

「是非、読んでみてください!
オススメの本ならいっぱいあります!」

「ありがと」

それから2年間、大野さんの隣の席がボクの指定席になった

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