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Happiness day

第21章 とまどいながら

学ランのボタンには、付いてる場所によって意味があった

大野さんがボクにくれたボタンは、何番目だったんだろう…

二番目?それとも三番目?

最後に会ったあの時、そんな所まで目に入らなかった

だってあの時は、大野さんに会えただけで嬉しかったから

大野さんは、ボクの事どう想ってた?

ボクは?大野さんをどう想ってた?

式の間も、その事ばかりが頭の中を占める


全ての行事が終わり、図書室で大野さんを待つ

そもそも大野さんは本当に今日、ここに来てくれるんだろうか

この一年、あの約束を心待ちにしていたのはボクだけなんじゃ…

大野さんがくれたボタンにも、何の意味もなかったのかも…

そう考えると哀しくなって来た

いつもの席で突っ伏し、考えを整理していると
ボクは自分の想いの答えを見つけた

ボク…大野さんの事…

その時、背後でドアが開く音がした

弾かれたように後ろを振り返る

「翔くん、みっけ…
ごめんね?遅くなって」

一年前と変わらない、大好きな笑顔がそこにはあった

「大野さんっ」

ボクは堪らず大野さんに駆け寄った

「翔くん大きくなったね
身長、追い抜かれちゃった」

照れ臭そうに笑う大野さんに、胸がキュンとなった

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