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Happiness day

第22章 青空の下、キミのとなり

智くんが地面に座り、ランチバックを手にすると、立ちっぱなしのボクを見上げた

「翔くんも座って?」

「うん…」

いいのかな…本当に分けてもらっちゃって
智くんの分が減っちゃうんじゃ…

智くんの隣に座り、智くんの手元を見る

お弁当包みを開くと、そこにはラップに包まれたおにぎりが2つ

「はい、どうぞ」

その内のひとつを智くんがボクに差し出す

「本当にいいんですか?智くん足りないんじゃ?」

ボクはもう帰るだけだからいいけど、智くんは午後も授業があるのに…

「おかずもあるから大丈夫
それに俺、元々少食だし」

おにぎりを受け取らないボクの手に、智くんがおにぎりを乗せた

続いてお弁当の蓋を開けると、美味しそうな唐揚げや卵焼きが…

『ぐぅ…』

「あ…」

恥ずかしい…
思わず鳴ってしまった腹の虫
唐揚げのいい匂いが食欲を刺激した

「ふふっ、一緒に食べよ?
天気も良いから、ふたりで食べるときっとピクニックみたいで楽しいよ?」

ピクニックか…楽しそう

「…いただきます」

「どうぞどうぞ」

智くんもおにぎりを手にした

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