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Happiness day

第22章 青空の下、キミのとなり

「ごちそうさまでした
とても美味しかったです」

「食べ慣れてる弁当だけど
俺も翔くんのおかげで美味しさ再発見出来たよ」

「本当ですか?」

「うん、ホント」

お弁当をバッグにしまいながら優しく微笑む智くん

でもやっぱり足りないとは思うんだよね
『唐揚げだけでいい』って言ったのに、結局おかずの全てを半分ずつ食べた

ボクも何か腹の足しになる物を持ってればいいんだけど…

「あっ!そうだ!」

突然思い出し、バッグの底の方を漁った

「どうした?」

智くんが不思議そうにボクの行動を見ている

目的の物を探し出し、智くんの前で手を開く

「はいっ、これ」

「飴?」

「はい。卒業式の日に智くんに渡そうと思って用意してたんだけど
ボタンあげたから、そのままバッグに入れっぱなしになってました」

「そうだったんだ
翔くん、ずっと飴だと思ってたって言ってたもんね」

出し忘れただけだけど、良かった入れっぱなしにしておいて

飴なら糖分もあるから、少しは空腹感を誤魔化せる

「後でお腹空いた時に舐めてください
何もないより、多少は足しになると思います」

「んー…折角の提案だけど、今舐めていい?」

「いいですけど…」

やっぱり足りてなかったのか…今すぐ舐めるだなんて…

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