テキストサイズ

Happiness day

第23章 Bad boy

「おはようございます」

「あら、翔ちゃん。今日から学校?」

窓の外から聞こえる、かあちゃんと翔ちゃんの声

窓から外を見ると、かあちゃんと笑顔で話してる翔ちゃんの姿

やっぱ可愛いなぁ…

初めて会ったあの日から翔ちゃんに会いたくて
翔ちゃんの声が外から聞こえると、急いで表に出るようになった

そして今も…

『ガチャ!』

ダッシュで玄関に向かい、勢いよくドアを開けた

「おはよ!」

「おはよう、智くん」

オレに向かって微笑み掛ける翔ちゃん
最高に良い一日の、はじ、ま、り…?

「え?…それ…翔ちゃんの制服?」

「そうだよ?智くんも7年後には同じ制服着るんだよ?」

同じ制服…って事は…

「翔ちゃん…男、だったんだ…」

「え〜?男だよ?
もしかして女の子だと思ってた?
俺、体小さいからなぁ…たまに間違えられちゃうんだよね」

オレからすれば十分デカイから勘違いしてた理由はそれじゃない…

顔の可愛さはもちろんだけど、あの優しさが滲み出る笑顔は女の子のモノだとばかり…

「翔ちゃん、そろそろ行った方がいいんじゃない?」

「あ、そうですね。いってきます」

「いってらっしゃい」

最高に可愛い笑顔を残し、翔ちゃんは学校へと向かった

動けないでいるオレの肩に、かあちゃんの手が乗った

「智…残念だったわね…
でもしょうがないわよ…かあさんもさっき翔ちゃんの制服姿見るまで、男の子か女の子かわかってなかったんだもの…」

かあちゃん…オレが翔ちゃん好きな事、わかってたんだ

こうしてオレの初恋は、10日間であっけなく終わりを告げた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ