テキストサイズ

Happiness day

第23章 Bad boy

「わぁ…懐かしい〜。
智くん、中学生になったんだぁ」

「おう…」

くそっ!相変わらず可愛いじゃねぇか!

オレの制服姿をキラキラとした眼差しで見つめる翔は、今年大学2年生になり
10日間で終わりを告げたと思ったオレの初恋は、その4年後に再燃し、今なお続いている


あれは、オレが小4で、翔が高2の夏…
友達と行った花火大会で、たまたま翔を見つけた時だった

河川敷に座る翔の隣には、濃い顔のイケメン
最初は翔も、オレと同じように友達同士で来たんだと思ってた

でもその距離感がおかしいと気付くのに、そんなに時間は掛からなかった

周りの友達は花火を見て歓声を上げていたが、オレはそれどころじゃない

オレの数メール先には
暗闇の中、肩を寄せ合い花火を見上げるふたり

花火の音に負けないように、お互いの耳の傍で何か話しては、微笑み合う

その姿を見ていると、段々とイライラが募って来た

誰だソイツ!
なんでそんなに可愛い笑顔を見せ続けてんだよ!

そう思いながら、ふたりから目を離せずにいると
顔の濃いソイツが話掛けるフリをして、翔の頬にキスをした

翔は怒るのかと思いきや、ソイツの肩におでこを乗せると恥ずかしそうに微笑んだ

なんだっ、その表情!
そんな可愛い顔、見たことねぇぞ!

相手の男は嬉しそうに微笑み、翔の肩に手を回し抱き寄せた

おとなしくそれに従う翔を見て、ふたりはそういう関係なんだと悟った

ストーリーメニュー

TOPTOPへ