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Happiness day

第23章 Bad boy

男同士でも恋人になれるんだ

オレは、自分の想いが決して間違ったモノじゃないと知った

いや、間違ってたっていい
翔だって、男を好きになってるんだから

オレが翔を想い続けていれば、いずれ翔と付き合える日が来るかもしれない…

僅かながら希望の光が見えたオレは、一度消した恋の炎を再燃させた

よしっ!待ってろよ!翔

その可愛い表情…いつかオレに向けさせてやるからな!

いつか来る日の為に、まずは毎日1リットルの牛乳を飲む事から始めた

その努力はなかなか成果を表さなかったが
それでも7歳上の翔に少しでも近づけるように、トレーニングは欠かさなかった

翔の事を支えられるくらいの力は付けないと…
肩に寄りかかられて、重さに耐えられないなんてカッコ悪いからな

トレーニングを初めて3ヶ月が経った頃
筋トレに使っている公園に行くと
翔がひとり、ベンチに座って空を見上げていた

公園の木々は紅や黄色に染まり、時折ひらひらと舞い落ちてくる
その落ちてくる葉っぱでも見てんのか?

近づいて行くと、翔の頬を流れる涙が見えた

「しょお…」

そっと声を掛けると、ビクッとしてこっちに顔を向けた

「智くんっ」

翔は慌てたように手のひらで頬の涙を拭う

「どうしたの?こんな所で…って公園だもんね。遊びに来た?」

「何があった」

「ん?何が?」

惚けた返事をするけど、いくらオレが子供でも、そんなんじゃ騙されないから
真っ赤な目で微笑まれても、かえって痛々しいだけだよ

「何か哀しい事があったから、泣いてたんだろ?」

翔の眉が下がり、哀しい微笑みに変わった

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