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Happiness day

第23章 Bad boy

「冷めないうちに食べよ?」

「ん、いただきます」

ホカホカの肉まんにかぶりつく

「うま…」

「ふふ…おいしいね」

いつもよりうまく感じるのは、翔に奢ってもらったからなのか
それとも、翔と食ってるからなのか…

「やっぱり肉まん美味しそうだね」

その声に翔を見上げれば、ジッとオレの手元を見てる

普段甘いモノを好んで食わないんだから、肉まんの方が美味そうに見えるよな

「ひとくち食っちゃったけど、半分交換するか?」

「え⁉︎そんなの智くんに悪いよ」

「オレも久しぶりにあんまん食いてぇし」

本当はそれ程でもないけど
でもこう言えば翔も聞き入れてくれんだろ

「…いいの?」

遠慮気味ながらも
目をキラキラさせて聞いてくる

そんな目見たら全部やるって言いたくなるけど、それは流石に翔も受け取らないだろうな

「いいよ、ほら…」

半分に割って、片方差し出すと
翔も半分に割って片方差し出してくる

交換すると嬉しそうに笑った

「ありがと。いただくね?」

肉まんを口にすると更に笑顔になる翔

なんだよ、あんまんじゃなくても、幸福感得てんじゃん

「ははっ!」

「なに?どうしたの?」

突然笑い出したオレを、翔が不思議そうに見た

「いや、すげぇ嬉しそうに食うから
甘いモノじゃなくても良かったんじゃんって思って
どっちかってぇと、肉まんの方が嬉しそうに食ってたぞ?」

「え…あ、ホントだ…」

自分の状況に気付いたのか、翔が頬をピンクに染めた

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