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Happiness day

第23章 Bad boy

「肉まんはね、智くんの優しさもプラスされてるから…
だから、肉まんの方が食べて嬉しかったんだろうね」

なんだよそれ…そんな事言われたら、オレの顔も熱くなるじゃねぇか…

紅くなった顔を翔に見られない様に、俯きがちに残りの肉まんにかぶりついた

翔より背が低くて良かったって、はじめて思ったよ

「ふふっ…おいしいね?」

楽しそうな翔の声…

「ん…」

久しぶりに食ったあんまんは、メチャ甘かった

牛乳を飲み終わる頃には、日が落ちて来て
翔や公園の木々が黄金色に染まる

「…綺麗だな…」

「え?」

ポツリと言葉を漏らすと、翔が聞き返して来る

「夕日。こんな風に見た事なかったけど
綺麗なんだなぁ…って」

「あ〜、そうだよねぇ…小学生の頃は、暗くなるまで夢中で遊んじゃうもんね
俺も夕日が沈んでいく様子なんて、ゆっくり眺めた事なかったな」

「いいな…」

「ふふっ…意外とおやじなんだね、智くんって」

「なんだよ、おやじって…」

文句を言ってやろうと翔を見上げる

「やんちゃ坊主だとばかり思ってたのになぁ…」

夕日が眩しいのか、翔が目を細めてオレを見つめてた

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