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Happiness day

第23章 Bad boy

翔の家庭教師は、夏休みに入って、オレが部活を引退してすぐに始まった

就職が決まった翔と、部活が無くなったオレ
時間はいくらでもあるから、特に時間は決めず
その日の進み方次第で、キリの良い所で終了

夏休みに出ている課題を利用しながら、進められる授業

いつもなら、夏休みが終わってもやり切れていない宿題が、夏休みに入って2週間で片付いた

「やれば出来るじゃん、智くん!
おばさんから聞いていた話とは大違いだよ」

「オレも自分で驚いてる」

「ははっ!そうなんだ!」

今まで分からなかった問題が、翔に教えてもらったらスラスラ解ける

学校の先生は大勢相手に説明するから、言葉がちょっと堅くてオレには理解しづらい

でも翔の言葉はオレの中にすんなり入ってくる

翔の言葉を一言でも聞き逃したくないってのもあるのかな?

「翔の教え方が上手かったから、翔のおかげだな」

「そんな事ないって…
教え方がどんなに良くても、やるのは智くんなんだから
頑張った智くんのおかげだよ?」

笑顔で褒めてくれるってのも、やる気が出る一因だろう

「さて、キリのいいところで休憩していい?」

翔に確認すると、翔が腕時計を見る

「そうだね。そろそろお昼になるし、休もうか」

「おう。昼メシ用意するから待ってて」

「ありがとう。おばさんにもお礼言っといてね?」

「礼はいらないだろ。その分、家庭教師代安くしてもらってんだから」

最初、翔は無料で引き受けると言ったらしい
それは駄目だと、かあちゃんが言い
それでも格安の料金を提示した翔に、それなら昼メシを付けると更に提案したかあちゃん

食い下がるかあちゃんに、翔は渋々引き下がったと、かあちゃんが関心しながら話してくれた

『本当、出来たお子さんよねぇ』

オレもそう思う

珍しく意見があったな、かあちゃん

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