テキストサイズ

Happiness day

第23章 Bad boy

河川敷には、レジャーシートを広げ場所取りをしている人たち

既に宴会らしき物を始めている集団もいた

「早く来たつもりだったのに、結構埋まって来てるね」

「かあちゃんにつかまったのと、買い物に時間が掛かったからな」

「あ、そっか…ごめんね、もたもたしてて」

「謝るこたねぇよ。まだ場所は空いてんだから
それよりも早く座って食おうぜ
暑くて、かき氷が溶けちまう」

「うん。あ、あの辺空いてる
あそこでいいかな」

翔が指差す方向を見ると、周りには小さい子供を連れたファミリーと、若者たちが比較的多い

宴会やってる所よりは静かに見られそう

「おう、あそこでいいぞ
打ち上がっちゃえば、見るのは上だけだしな」

「そうだね。じゃああそこにしよう」

敷いてあるレジャーシートを避けながら、目的地へ辿り着く

そのまま地面に座ろうとしたオレを翔が止めた

「待って、智くん」

「ん?どうした?ここでいいんだろ?」

「ちょっとこれ持っててくれる?」

翔に差し出されたふたつのかき氷

オレは持ってたビニール袋を腕に掛け、両手を空けるとそれを受け取った

「ありがと」

「おう」

そんな事でさえ、ニコッと笑って礼を言う

なんでイチイチ可愛いかな…

ぼーっと翔を見ていると、バッグの中から何やら取り出した

バサッと広げると、小学生が遠足で使うくらいの小さなレジャーシート

「持ってきてたの?」

「うんっ。お尻汚れちゃうから」

「全然気にしてなかった」

「だと思った。ほら、座って食べよ?」

先に座った翔がかき氷を受け取る為に笑顔で手を伸ばしてきた

オレを見上げるその角度…メチャ可愛いんですけど

初めて会った時もそうだった…
小さかったオレの前にしゃがみ込んで、オレを見上げた翔を可愛いと思ったんだよな

オレ、このアングルに弱いのかも…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ