テキストサイズ

Happiness day

第23章 Bad boy

「うーっ、いた〜い」

翔がかき氷のスプーンを持ったまま、頭を押さえる

「大丈夫か?急いで食うから…」

「だって、この暑さじゃ、急がないと溶けちゃう…」

「溶けたら飲めばいいじゃん」

「それじゃ駄目だよ。かき氷はかき氷のまま食べたい」

「わからなくもないけど、頭痛くしてまで食べる必要あるか?」

「智くんだって、顔色悪くして食べてるクセに」

「オレ?そんな事ないだろ?」

翔みたいに急いで食ってないから、頭も腹も痛くない
顔色なんて悪くなる筈がない

「ふふっ。唇、青くなってるよ」

「え?あっ!」

ブルーハワイのシロップのせいか!カッコ悪ぃ…

慌てて手の甲で唇を拭う

「そんな事しても落ちないよ」

楽しそうに笑う翔

「しょ、翔だって!口紅塗ったみたいに紅くなってんぞ!」

「えっ、ほんと?」

唇を突き出し、視線を下げる

なんだよそれ!唇尖らせて!キスを迫ってんのか⁈

「見えな〜い」

あ、なんだ…自分の唇見ようとしてたのか…

「そ、そんな事したって、見える訳ないじゃんっ
メシ食ってるうちに落ちるから大丈夫だよっ」

「それもそうだね。じゃあ、早くかき氷食べ終わらせて他の食べよ」

嬉しそうに次々と食べ進める翔

そんな翔の紅い唇から
オレは、しばらくの間、目が離せなかった…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ