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Happiness day

第23章 Bad boy

「はぁ…お腹いっぱい…」

翔が自分の腹を撫で回す

「なんとか完食できたな…」

オレも超腹いっぱい…

オレ、普段そんな食わねぇからな
それでも翔が買い込んだ物を残すのはどうかと思って、頑張って食った

「やっぱり買い過ぎだったね」

「屋台は祭りの醍醐味だし、しゃあねぇだろ」

あれこれ選んでる翔は楽しそうだったし
そんな翔を近くで見られて、オレも楽しかった
多少腹がキツくても、それなりの代償だよ

「そろそろ花火始まるね」

暗くなり始めた空を翔が見上げた

「始まる前に食い終わってよかったな」

オレは食い終わったゴミを袋に纏める

「あっ!ごめん。ひとりでやらせて」

「ん?あぁ、こんな事、どうって事ねぇよ
家で、自分で出したゴミは自分で捨てねぇと、かあちゃんが煩いんだよ…」

「ふふっ。智くんって、おばさんと言い合いする事多いけど
なんだかんだでちゃんと言う事きくんだからいい子だよね」

はぁ…出たよ…今出さなくてもよくね?子供扱い…
折角デート気分で楽しんでんのにさ

やっぱり翔からすればオレは子供なんだと思い知らされる

きっと翔は無意識に言ってるんだろうけどさ
無意識だからこそ、本音って事だよな

「智くん、どうかした?」

オレの気分が下がったのを感じ取ったのか、翔がオレの顔を覗き見る

「…別に」

こんな風に気を使われるのも、子供扱いされてるみたいで嫌だ

空気を変えなきゃ…

そう思っていた時、轟音と共に、空が明るく光った

「うわぁ…」

翔の歓喜の声

花火に助けられた…

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