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Happiness day

第23章 Bad boy

「うわっ!今の大きかったね」

「地響したな」

「二尺玉かな?」

「ニ尺玉?」

聞き慣れない言葉に翔の方を向くと、翔はこちらを向いて頷いた

「うん、そう。花火の大きさの単位で、この花火大会では一番大きな花火がニ尺玉なんだ」

「へぇ…詳しいな?」

「花火大会の公式サイトに書いてあった」

「わざわざ公式サイト見たの?」

花火大会なんて打ち上がってる花火を見るだけなんだから、サイトを見るまでもないと思うんだけど…

「うん…今日来るの楽しみだったから…」

「翔って、そんなに花火好きだったんだ」

知らなかったな…この数年はお互いの事を色々話して来たから
翔の好きな物とか、趣味嗜好はかなり知ってるつもりでいたのに…

「今年の花火大会は特別…」

オレを見つめて、僅かに微笑む翔が
やけに色っぽく見えた…

「特別って…」

なんで特別か聞こうとした時に、煩いくらいに鳴り響く花火音

「あ!スターマインだ!」

間髪入れず次々と打ち上がる花火に
さっきまでの色っぽさが一瞬にして消え、子供のようにはしゃぐ翔

まぁ、いいんだけどね…

どうせ『智くんと来るから特別』なんて言葉は、聞かせてくれないだろうから

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