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Happiness day

第23章 Bad boy

「カッコわりぃ…」

灼熱の公園のベンチに座り、独りごちた

やってる事がガキ過ぎんだろ…

ガキ扱いされた事に腹立てて
強引にキスしたかと思ったら、やってる事の情けなさに気づいて逃げ出すなんて…

こんなガキじゃ、翔に相手にされる訳ないよ…

その証拠に、翔は追っても来てくれない
呆れられた?

あんな事したんだから当然だよな…

でも、オレの気持ちはちゃんとわかって欲しかった

興味だけで翔にキスしたって、誤解して欲しくなかった

翔の事が好きだからキスしたんだって、知って欲しかった

…伝わったんだよな?
だからあんな困った表情したんだよな?

「はぁ…」

5年分の想い、もっとカッコよく伝えたかったな…

もぉ、馬鹿過ぎる…
最低な終わらせ方だよ…

どうせ言葉にしてぶつけるなら
『ガキ扱いするんじゃねぇ』じゃなくて、『ずっと前から翔の事が好きだ』って言えば良かった…

「はぁ…」

溜息しか出ねぇ

これから、どんな顔して翔に会えばいいんだ?
今まで通りにした方がいい?

でもそれじゃ、オレが気持ちを伝えた事もなかった事にされそう…
それは嫌だな…

「はぁ…」

ギラギラ輝く太陽の下で、脳みそが沸騰しそう…まともに頭が動かない…

「何か飲も…」

ズボンのポケットに手をやるも…

「何も持たずに出て来ちった…」

そりゃそうだよな…あの時、財布に手を伸ばす程、気持ちに余裕はなかった

「はぁ…しゃあねぇ…帰るか…」

きっともう翔も自分の家に帰ってるだろう…

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