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Happiness day

第23章 Bad boy

グラスとペットボトルの麦茶を持って部屋に戻ると、翔は窓の所に立って外を見ていた

「そんな所にいたら暑いだろ?
こっち来て麦茶飲んで?」

「ん、ありがと…」

グラスをテーブルに置くと、手を付けてないそうめんが目に入る

もうフニャフニャで旨くないだろうな…

麦茶を注いだグラスを翔の前に置いた

「はい」

「いただきます」

ゴクゴクと喉を鳴らしながら、一気に麦茶を流し込む翔を見て
やっぱり暑い思いをさせていたんだと、改めて反省…

翔のグラスにもう一度麦茶を注いだ後、オレも麦茶を一気飲みした

「ふぅ…」

大きく息を吐き、渇いた体と沸騰した脳みそを少し落ち着かせる

「さっきは、本当にごめんな…」

俺が謝ると、翔は小さく首を横に振った

「…ううん。俺も悪かったから…
俺が智くんの事、怒らせちゃったんだよね?」

「怒らせたって言うか…オレが勝手に拗ねただけだよ」

「それでも、その原因を作ったのは俺でしょ?」

「まぁ…そうだけど…
でも、オレが寝てる相手にキスしたのが一番悪いから…」

意識の無い人にキスするなんて、卑怯な行為…
それを翔は怒らないでくれた

なのにオレは拗ねて怒るなんて…
冷静に考えるまでもなく、オレが悪いじゃん?

「…わざと止めなかったって言ったら?」

「え?」

まだ水分の多く残る不安そうな翔の瞳が、オレの事をしっかりと捉える

「智くんがキスしてくれるかも、って期待して
寝たふりしてたって言っても…智くんが悪い?」

「な、に?…どういう事?」

冷めきってないオレの脳みそじゃ、言われてる事が理解出来ない

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