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Happiness day

第23章 Bad boy

翔は視線を伏せ、話し始める

「さっきね、ちょっとうとうとしちゃったけど
智くんが部屋に戻って来た時、目は覚めてたよ?」

「なんで寝たふりなんか…」

あの時、翔が目を開いたら
オレだってあんな強行に出なかったのに

「気配で、すぐ近くでジッと見られてるなって思って、ドキドキして…
『もしかしたら、キスしてくれるかも』なんて…期待したって言ったら…
智くん、怒る?」

顔を上げた翔が、潤みの増した瞳でオレを見つめる

「そんなの……怒る訳ないだろ」

ホッと息を吐いた翔

「よかった…」

どんな理由であれ
そんな目をして『キスを期待した』なんて言われたら、怒る事なんて出来ないだろ

「でもなんで?」

まさか翔…まだキスをした事なくて、キスに興味があったとか?

「智くんの理由と同じ、かな…」

オレの理由?
さっきはキレて、ちゃんと伝えられなかった
『翔の事が好きだから翔にキスしたかった』

翔の理由はオレの理由と一緒なのか?

いや、そんな事ある訳…

「智くん…智くんは興味だけでキスしたんじゃないんだよね?」

「違うよ…オレは…
オレは、翔だから…ずっと前から、翔の事が好きだから、翔にキスしたかった」

ドキドキと、頭の中で喧しいくらいに心臓の音が響き渡る中
オレは伝えたかった想いを、言葉にして翔に伝えた

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