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Happiness day

第23章 Bad boy

「そんな前から好きでいてくれたの?」

腕の中の翔に聞くと、翔は小さく頷いた

「うん…引くよね?」

「引きはしないけど、驚きはした
小学生の時のオレなんて、本当にガキじゃん
そんなオレの事、好きになってくれたって事?」

「正確には違うのかな…」

その答えを聞いて
翔の肩を掴み、体を少し離し翔の顔を見た

「えっ⁉︎違うの⁈」

すげぇ喜んだのに…

「あのね?はじめは、未来の智くんに恋してたんだ」

未来のオレ?

「…ちょっとわかんないんだけど…」

「俺が振られて落ち込んでた日の事、覚えてる?」

「あの公園で泣いてた日だろ?」

忘れる筈ない…翔の涙を初めて見た日なんだから

「そう…あの時ね?小学生なのに、俺の為に怒ってくれた智くんに感動したんだよね、凄く優しい子だなって…
で、このまま成長していったら『イイ男』になるんだろうな、って思ったら
智くんを通して、成長した智くんを想像して恋してた」

「成長したオレ?それってオレで良いのか?」

「いいんだよ…智くんは、年々イイ男に育って行って
今じゃ、俺の想像を超えてるんだから
智くんが中学に上がった頃には、現実の智くんに恋してたんだよ?」

オレは翔に『イイ子』じゃなくて、『イイ男』として認識されてたんだ

「よかったよ…翔の想像通り成長出来て」

「だから、想像通りじゃなくて、想像以上なんだってば」

翔は嬉しそうに微笑むと、ぽふっとオレに抱きついてきた

「好きだよ…智くん…
ずっと待ってて良かった」

オレは翔を追いかけてたけど、翔はオレを待っててくれたんだ

「うん、オレも追いかけ続けた甲斐があった」

腕の中の翔をギュッと抱きしめた

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