テキストサイズ

Happiness day

第23章 Bad boy

翔と両想いだったなんて…

翔と抱き合い、しあわせな気分を噛み締めてたんだけど
ふと、さっきキスした後の、翔の困った表情が思い出された

オレにキスして欲しかったんだよな?
ならなんであの時、あんな顔したんだろ?

「なぁ、翔…」

「ん〜?」

「オレにキスされた時、なんであんな顔したの?」

不思議に思って質問してみた
普通なら、して欲しかったキスをされたら、もっと喜ぶよな?

「あんな顔?」

自分でどんな表情をしたのか、覚えてないのか?

「うん。2回目にした時
翔、困った表情したから…
だからオレ、馬鹿な事したって思ったんだよね」

「…あっ!」

翔は思い出したのか、声を上げながらオレから体を離した

「あれは…その…」

翔の顔が赤い?

「暑いか?エアコンの温度、もっと下げようか?」

「ううん、大丈夫…熱いけど、暑くはないから」

翔は、ふるふると首を横に振る

「…あのね…」

「うん?」

「最初にキスされた時、嬉しかったんだけど
寝たふりしてたのバレたら恥ずかしいから
バレないようにって…演技して、何ともないフリしてた…」

なんだ…あれは『フリ』だったのか…

「でもね?2回目の時は、智くんの気持ち聞いた後でしょ?
そしたらね…」

益々顔を紅くした翔が言い淀む

「そしたら?」

先を促すように聞き返すと
翔は恥ずかしそうに視線を伏せた

「…嬉しさが倍増して、もっとちゃんとしたキスがしたくなっちゃって…
だから『どうしよう』って思って…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ