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Happiness day

第23章 Bad boy

あれから7年。翔は就職して6年目、オレは大学生活4年目を迎え
オレは、翔と付き合い出した時の、翔の年齢になった

当然ながら、オレと翔の年の差は縮まない
だが、今のふたりの距離は…

翔から、東京本社への異動があるかもと話があったのは、オレが大学の志望校を考え始めた頃

こんなチャンス逃す筈もなく、オレは迷わず志望校を全部東京の大学にした

翔の東京への転勤が正式に決まり、先に東京へと引っ越ししたが
その半年後に、オレは無事大学へ進学し、翔のマンションに転がり込んだ

とは言っても、転がり込むのは、事前に翔と話し合ってた事だけどな

『いつかふたりで住めたらいいな』ってのは、思ってた

でも、年の離れたオレたちが、地元でシェアハウスってのは、違和感があるじゃん?

これなら誰も怪しむ事なく、スムーズに同居が出来る

かあちゃんは、元々翔に絶大な信頼を寄せてるから『翔くんが一緒に暮らしてくれるなら安心』って喜んだし
翔のかあちゃんは『翔は家の事、何も出来ないから、智くんが居てくれると助かるわ』と喜んでくれた


「あ〜、今週末なんだ、花火大会」

風呂から上がって、のんびりとテレビを観ていた時に、翔のスマホに着信音

翔はスマホを確認すると、そう呟いた

「え?この辺、花火大会なんてあったっけ?」

「ううん、違うよ。地元の…
母さんからLINEで『今週末、花火大会もあるし、ふたりで帰って来たら』って」

「もうそんな時期か…」

「どうする?帰る?」

「翔が仕事大丈夫なら帰るか
かあちゃんからも『大学が夏休みに入ってるのに帰って来ないの?』って、連絡あったし」

「そうだね。たまには顔見せてあげないとね」

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