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Happiness day

第23章 Bad boy

翔は返信を打ち、スマホをテーブルに置くと、隣に座るオレにもたれかかって来た

「久しぶりだね、花火大会」

「4年ぶり?」

「うん。こっちに来る前の夏が最後」

「それまでの4年間は、毎年一緒に行ってたな」

「最初にふたりで行った頃の智くん、超可愛かったなぁ」

「あー…花火大会の次の日、翔に襲われたんだ」

寄り掛かってた翔が、ガバッと体を離した

「襲ってないよ!」

「そうか?『我慢できない』って、オレの事、押し倒したじゃん」

「うっ…だって、キスした時の智くんが可愛いくて
その先の事してあげたら、どうなっちゃうのか、見てみたかったんだもん」

「やっぱり襲ったんじゃねぇか」

「…嫌だった?」

不安そうな瞳

「嫌な訳ないだろ?
そもそも、最初に襲ったのオレなんだから
次の日も、また襲ったしな?」

「んふっ、そうだった」

「今、ヤラシイ笑い方したな…
襲われたの思い出して、ニヤけた?」

「ちっ、違うしっ!
智くんこそっ…今、すっごくイヤラしい顔して笑ってる!」

「オレ?そうだよ?初めての時の翔、めっちゃ可愛かったなぁ、って思い出してた」

あの時のオレは、翔は、既にアイツと経験済みなんだと思ってた…

でも実は、翔も未経験だったんだ

未経験同士のふたりの初めてのエッチは、今考えるとヘタクソなモノだったけど

それでも最高に気持ち良かったし、最高にしあわせだったし

何よりも…翔の事を今まで以上に大切にしようと思えた

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