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世界で一番尊いあなた(嵐)

第2章 BAR MARIN


和也(翔ちゃん…また吸い始めたのかな)

このくらい聞いてもよかった気もするが翔ちゃんは机に顔を突っ伏してしまった

翔「う〜おなかすいた〜」

じたばたと腕を動かして甘えた仕草を見せる翔ちゃん。マスターもこれには大興奮のようで。

マスター「きゃ〜♡かっわいいわさすが翔ちゃん!!まっててね、もうすぐできるからねん♡」

そう言うとマスターはギチギチと鈍い音を立てながら袖を巻くり、厨房の方へ消えて行った

翔「腕…むっきむきじゃんね…」

また…ふたりきりの空間になった

先程のマスターとの会話が頭をめぐり、いつもよりちゃんと翔ちゃんと話が出来る気がした

和也「…っあ、あのさ、」

翔「ん?」

和也「…えっと…あ、マネージャーなんだって?」

翔「あー」

和也(やっぱり無理!!!なんだかとても気まずい!!!!それに今更なにを話せばいいのかまっったくわからない!!!)

翔ちゃんは先程のカクテルを1口飲むと小さなため息を漏らして口を開いた

翔「次の音楽番組の司会について、軽く打ち合わせ」

和也「ああ、そっか。次も司会だもんね、…がんばってね」

翔「んー、まあ頑張ることは無いよ。いつも通り正確に慎重に、進めていけたらいいなと思ってる」

和也(翔ちゃんはさすがだなあ…言うこと一つ一つに重みがある)

…それにしても会話が続かない。翔ちゃんはいつにも増して口数が少ないしマスターはいつまで経っても戻ってこない。この静寂はやはり辛いものがある

和也(翔ちゃんはまた突っ伏しちゃってるし…眠いのかなあ…)

和也(ん…?なんだこれ、本が置いてある…)

カウンターテーブルの端には何冊かの黒い本が立てかけてあった。
何気なくページをめくるとそこにはたくさんのカクテルの詳細が載っていた。

和也(すげー…沢山乗ってる)

俺は無意識に自分の飲んでいるカクテルを探してみたがこのカクテルの名前すら知らないことにハッした

和也(聞き忘れちゃったなあ…なんだろう。あとでマスターに聞いてみよう)

その本にはカクテルの作り方や度数など多彩な情報が掲載してある。

和也(キャロル…あ、これ翔ちゃんが飲んでるやつだ)

俺は翔ちゃんが飲んでいるカクテルと本の写真を照らし合わせる

和也(ふーん、「中甘辛口」…「タイプ:ショート」
…)




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