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世界で一番尊いあなた(嵐)

第4章 暗い夢


翔「お前…なにやってんだよ…ッ」

息ができないほど強くだきしめられて、
あなたの鼓動をうるさいほど近く感じた

和也「しょうちゃぁ…くるしっ…」

ドクン、ドクンと
徐々にスピードを増していくのがわかる

翔「俺…ッ」

翔ちゃんの声は弱々しく、でも怒りに震えていいた

翔「俺…さぁッ…」

翔「…ッ…」

和也「…?」

和也「翔…ちゃん…?」

翔ちゃんはもうそこまで出ている言葉を飲み込むように息を飲んだ
それはきっと、俺への気持ちだ

翔「…ごめん」

翔ちゃんは落ち着きを取り戻したように俺を包み込んでいた腕を優しく解いた

和也(ああ…)

あの時のキスのあとと同じだ
翔ちゃんはどこか寂しい顔をしていた

和也「なんで…謝るの?」

翔「…」

翔「俺は…」

翔「あんなになるまで…なにもできなかったから…」

和也「そ、そんなの!…俺だってごめん…。」

俺は翔ちゃんが特別な思いで、俺の事を助けてくれてくれたような気がしてすごく、嬉しかった

翔「…ああ、まあ…。でも…俺は メンバー としてにのを…助けたかったから…」

でもそんなの俺の思い違いみたいで

和也「!」

和也(…いま…この人…)

和也「…メンバー…として…?」

翔ちゃんは決して俺と目を合わせようとしない

和也「そ、そんな意地悪なこといわないでくださいよ〜。」

翔「…。」

和也「メンバーとして…って、まあ気持ちはわかりますけど〜」

翔「…」

こんな空気、耐えられなかった
俺は翔ちゃんが次に発する言葉を聞くのが
何だかとても怖くて
まとまらない言葉でただひたすらに口を動かした

和也「だけどさ〜俺たちそうじゃないじゃないですか〜」

翔「…にの」

和也「俺はすくなくともそれだけじゃないって思ってるし、」

和也「それに、今だって…ほら」

翔「にの…!」

月に照らされる翔ちゃんの横顔は
とても綺麗で

和也「抱きしめてくれて…」

涙がでた

和也「嬉しかったのに…」

翔「…っ!」

ああ、また翔ちゃんの前で泣いてしまった
俺は泣き虫卒業なんて、全然できてなかったんだ

和也「〜〜っあ〜…。なんかごめんなさい、俺、調子乗っちゃってますよね…ほんとすいません」

和也「…すいません、帰ります。…今日は」

翔「にの!」

翔ちゃんは…
俺を抱きしめてはくれなかった

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