
世界で一番尊いあなた(嵐)
第4章 暗い夢
翔「にの…俺…」
翔「お前のこと、傷つけてばっかで…ほんと、ごめん…!」
翔「でももう、どうすればいいのか…わかんないんだ…っ」
翔ちゃんは何だか苦しそうだった
和也(でもこんな時、抱きしめてもらえない俺だって…すごく…苦しい…!)
和也「…翔ちゃん」
身体に力が入らない
それでも、俺は翔ちゃんの方へと両手を広げた
和也「こういう時こそ、抱きしめればいいんだよ」
こんなこと、一生言えるはずないと思ってた
でも俺はただ翔ちゃんを求めていて もう止められなかった
和也「ねえ、…キスしてよ、前みたいにさ」
翔「…にの、俺は…」
和也「俺、翔ちゃんにキスされるの大好きなんだよ…ねえ、翔ちゃん」
目から溢れる涙が邪魔して翔ちゃんの顔がよく見えない
和也「俺に…キスしてよ…っ!」
あなたはいまどんな顔をしてるんだろう
優しく笑ってキスしてくれたら
こんなの全部夢なんだって思えるくらい
幸せになれるのに
でも、現実は残酷だ
翔「にの…」
翔「…ごめん」
和也(ああ…)
わかっていたのに
あなたは本当に勝手な人だ
和也「…はは」
自分の好きなように俺を操って
こっちが少しでも求めたら
和也「…なんで…なんでだよ…っ」
こうやって突き放すんだ
和也「…俺の事…セフレとしか見てねえんだったら…!」
和也「なんで…最初から…優しくすんだよ…!」
きっとそんなの簡単で
都合よく操るだけの飴でしかない
こんなこと言ったら捨てられること、わかってた
それでも、苦しくて
この苦しさを我慢して生きていくより
翔ちゃんに捨てられた方が楽なのかもしれない
翔「そんなの決まってんだろ…!俺はお前のこと…!」
和也(あ…俺ここで振られるのかぁ…)
頭の中はぐちゃぐちゃなのに、
俺は意外にも冷静な判断ができた
幸せな時間がフラッシュバックする
覚悟はもうできていた
和也(ああやっぱり…苦しくても、辛くても…そんなの我慢して翔ちゃんに抱かれていた方が俺は幸せだったのかもしれないな…)
でもそんな覚悟、必要なかったみたいだ
翔「俺は、お前のこと…っ!」
翔「にののことを……守りたい…っ!」
守りたい…そんなこと、言われたの初めてだった。
振られる覚悟をしていた俺は予想だにしなかったその言葉に自然とまた涙が溢れた
