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世界で一番尊いあなた(嵐)

第4章 暗い夢

気がつくと俺は自分の家のベッドで寝ていた

和也(…あぁ、俺…あのあと…タクシー呼んで一人で帰ったんだっけ…)

和也「いっ…てぇ…」

頭がズンズンと押されるように痛い
二日酔いになるほど飲んでいなかったはずなのに…なんて思ったが、あちこちに散らばる飲み捨てられた缶チューハイをみて俺は昨晩のことを思い出す

和也(あのあと一人で馬鹿みたいに飲んだんだっけ…クソ…これから仕事なのにあのときの自分を殴りたい…)

だが、あの時の自分は明日の都合を考えて自分をコントロールできるほど正常な精神ではなかった

ただ酔いつぶれて、いい気持ちになって、何もかも忘れたい

それだけだった

だんだんと頭が冴えてくる

それと同時に、俺は現実を突きつけられた

和也「ああ…そうか、俺…翔ちゃんにあんなふうに言われて…」

「もう俺に関わるな」記憶は曖昧なのに、その言葉だけ頭の中でなんどもなんども再生される

気待ちを入れ替えて、なんて全然できなくて
でも仕事には行かなきゃいけなくて

このまま何もかも捨てて外国にでも移住しようかな
なんて馬鹿なことを考えたりもした

今日は朝から夕方にかけて新しい映画の撮影だ
俺は重い足取りで現場に向かった

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自宅 翔 side

翔「あーーーーーーーー」

締め切ったカーテン越しからほのかに差す陽の光
あれから何時間経っただろうか
俺は寝ないで酒を飲み続けてる

昨日はあんなことを言ったが
今日は1日オフだ

久しぶりににのを誘おうか、なんてことを考えていた矢先、あんなことになったから何もすることがない

ただヤケになって酒を飲む

それでも、昨日のことがずっと頭に張りついていた

目に浮かぶのはあいつの悲しい顔

取り返しのつかないことをしてしまった

翔「…また、傷つけた…」

あのロケバスでの出来事以来、これ以上マネージャーに勘づかれては困るので、にのとはできるだけ距離を置いていた
だからあの場で会えるとわかったときめちゃくちゃ嬉しかった
それでも事務所の奴らの前だし、できる限り大人しくしなくてはと心がけていたんだ

でも、あんなの我慢出来るわけがなかった
ほかの男にキスをせがまれ、あんなに身体を撫で回されて。 見て見ぬふりなんて無理だった

頭で考えるほどの余裕もなくて俺は気がついたらにのの腕を引いていた

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