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世界で一番尊いあなた(嵐)

第4章 暗い夢


2人になって、気が抜けて
「俺はにのがほかの男に触られるなんて我慢できない」なんて、言おうとしている自分がいて
気持ちを押し殺すしかできなくて

気の利いた言葉も掛けてやれなかった

それどころか 口から出る言葉は本心とは真逆のナイフ

もうあのまま帰ってしまえばよかったんだ

そうすればあんなことにはならずに済んだ

でも、あんなに必死に俺の事を求めるにのが可愛くて可愛くて
俺はあいつの心を少しでも救ってやりたくなった

できるだけ、プラスになる言葉は言わないようにしていたのに
酔った勢いで本心をチラつかせてしまった

翔「あれから…にのは…おかしくなった…」

突然変なスイッチが入ったみたいだった

にのからキスをせがんできたのは初めてで、
あのうるうるした可愛い瞳とか、俺を見上げる時のしぐさとか、それが可愛くてやらしくて
滅茶苦茶にしてやりたくなった

でも、俺はそんなクソみたいな欲よりも
なによりお前が大切だった

にのに無駄な期待をさせてしまう
それだけは避けたかったんだ

俺は一生、にのと恋人同士になることなんてできないのだから


だけどにのは
俺のきもちに気づいているようだった

1番恐れていたことだったのに

あくまで俺は
あいつをセフレとしか思っていないことになっていた だからこそこの関係が成り立っていたんだ

それがどちらも好意を持っているとバレたらどうなる?
無意識のうちにセフレ以上の関係になることなんて言うまでもない

それだとにのは守れない、

にのを守れない俺はにのと肌を重ねる資格なんてない

必然的ににのとはもう
秘密の関係には戻れないのだ

翔「俺にもう…関わるな、か」

もっと言い方ってもんがあったはずだ
それなのに俺はにのを一番傷つける言い方をしてしまった

仲直りがしたい、でも、バレてしまった以上もう戻ることはできない

それはあまりにも酷な現実だった

翔「あーーーもう、考えるの、やめたい、、寝よう。」

翔「…。」

翔「うぅ…にの…にの…」

翔「…。」

翔「…あー」

そうか、俺はこんなこと言ったってもう絶対、何があってもにのに触れることなんてできないのか




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