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世界で一番尊いあなた(嵐)

第5章 覚悟

恋人同士…なんて綺麗な関係だと信じて、何も言わず応援してくれる3人にいまの俺たちのことを伝えるべきなのか、正直ずっと悩んでいた

和也(ヘラヘラしてたら意外と余裕だと思ったけど…実際結構きてんだよなー…)

和也(久々に…あの人に会いに行こうかな)

俺はあの名刺を未だに大切に持っていた

自分の気持ちを、1番に素直に打ち明けられた
俺を救ってくれた人だから

ーーーーー
ーー

BAR MARIN

和也「こんばんはー」

俺は相変わらず重いアンティークなドアを
ゆっくりと開けて、店の中を見回す

和也(他のお客さんは…今日もいないか)

マスターは俺の声に反応して裏から飛び出すように出てきた

マスター「んまあ〜〜!にのちゃん!お久しぶりじゃない!」

和也「お久しぶりです。元気そうでなによりです」

マスター「にのちゃんも元気そうでよかったわ〜!まあいつもテレビで見てるから毎日会ってる感じだけどね〜!」

和也「ああ、見てくれてありがとうございます」

軽く挨拶を交わして、マスターは俺をカウンターの一番端に座らせた

マスター「そう言えば今日はひとりなの?翔ちゃんは?」

和也「あー…えーっと…」

マスター「…そうよね。何か話したいことがあってきたのよね、きっと。おいおい聞くからとりあえず1杯どう?」

和也「…助かります。えと、じゃあ生で」

マスター「生!今日はとことん飲む気ね!?」

マスター「まってて、おつまみももってくるわ」

そういうと、マスターは店の奥へと消えていった

和也(2ヶ月…?いや3ヶ月ぶりか)

店の風貌は前来た時と変わっていなくて、
あの時眺めたカクテルの本も置いてあった

和也(翔ちゃんが送ってくれた…カクテル)

コペンハーゲン…だったよね、忘れるわけない

和也(あ…これこれ)

そこにはあの時と同じ、黄色くてかわいいカクテルの写真が貼ってあった

「秘密の愛」―――この言葉に意味があるのかなんて分からない
だけど、もし意味があるのなら――俺は――

そんな想いでページをめくった

和也(…あ、このカクテルの言葉…素敵だなあ…)

和也(こんな言葉を…いつか翔ちゃんに送れたら…なんて、絶対ムリなのに…何考えてんだ)

叶うと信じてた願い、でももう叶わない願い
あっという間に砕け散ったようで
惨めで情けない

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