
君と僕の世界(嵐)
第2章 お忍びハワイ旅行
3人の動揺した声が聞こえる気がするが
何も頭に入ってこない。
この状況は……やばい。
和也「しょ、翔ちゃん、ちょっと落ち着いて。からかって悪かったって」
翔「んなの知らない。こうさせたのはかずでしょ」
和也「っ!」
翔ちゃんの表情はまさにベッド上でのそれ。鋭くてなんだかいやらしい。
まってまって、俺、みんなの前で何されちゃうの?
和也「ほんとにっ!!1回離れて!何盛ってんだよ!」
翔「「お兄ちゃん、ちゅーしてください」、は?」
和也「な、○▼※△☆▲※◎?!!///」
なななな何言ってんだよこの人!?!
んなこと本気で言えるわけねえだろ!!
翔ちゃんはまるで周りが見えてないみたいに欲望に忠実だった。
翔ちゃんの綺麗な顔がもうすぐそこにある。このままだとほんとにキスされてしまいそうだ。
和也「んなの言わねえよ!誰か!早くこの人どかして!!」
雅紀「え、えと!」
翔「かずがキスしたいって言ったんだよね?俺の言うことなんでも聞くんでしょ?」
温泉での話、まだ根に持ってたのかよ。それにその話はもう解決したはずだ。そこまで俺に恥をかかせたいのか…?!
和也「それは!聞いたじゃん!もう終わったじゃん!」
翔「終わってねーよ。俺が許さなきゃ意味ねえだろ」
翔「…俺の言うこと聞けないの?」
和也「…っ!」
翔ちゃんの表情…本気だ。
和也「…ぅ…っ」
そんな言い方されると…俺…っ
変な気になっちゃうじゃん…!
翔「俺の、俺だけのかずはいい子だもんね。言うこと、聞けるよね?」
さっきよりも低く微かな声で、3人に聞こえないように俺の耳元で囁いた。
その声に全身が麻痺したように動けなくなる。
和也「でっでも、みんながみてる、から、」
翔「それじゃあ悪い子になっちゃうよ」
和也「それは…っ」
翔「何も考えなくていい。かずは俺の言うことだけ聞いとけばいいだろ、俺のモンなんだから」
翔ちゃんの…もの…
…
そう、俺は翔ちゃんだけのもの
翔ちゃんに嫌われるくらいなら
みんなの前でちょっと恥かくくらい痛くも痒くもないだろ。
和也「そ…だね…」
ああ、今俺、全然頭回ってないんだろうな
3人の視線、痛いほど感じてるのに
目の前の翔ちゃんから目が離せなくなってる。
さっきまでの俺はどこに行っちゃったんだろう。
