
君と僕の世界(嵐)
第3章 ♡ 雨の日の喧嘩
翔「1週間も俺とまともに会話できてないかずならやりかねないじゃん。」
翔ちゃんは突然突拍子もないことを言う男だが、どうやら自覚はないらしい。
どっさりと積まれたチラシの中から
寿司屋のものを見つけると、それをじっとみてこれにしようと呟いた。
和也「俺そんな飢えてねーし」
翔「んー?どうかな?今日はいつもよりトロトロだった気がするけど」
和也「はあ?…それとこれとは関係ないでしょ…もう…。」
…やっぱり、事後にそういう話をされるのは苦手だ。自分が受け身であることを受け入れてる俺…男としてどうなのか、なんて考えてしまう。
…でもまあ、翔ちゃんに抱かれるのは幸せだし、気持ちいいし…俺たちがそれでいいなら、気にすることないのかな。
翔「…でも…」
翔「…ほんと、こうやってまた…かずと話せて嬉しいな。」
翔「こういう喧嘩って…初めてじゃん?どうやって仲直りすればいいのか…まじわかんなくなっちゃって…」
和也「…うん。初めて…だね。もうこの歳になるとさ、喧嘩とかってどういうものだったかも忘れちゃうくらいだよね。」
翔「そうそう。ていうかかずとぶつかることなんてないと思ってたし。」
翔「…でもさ、こうやってぶつかり合うことって…ほんと、大事なことなんだね」
和也「…。翔ちゃん…。」
翔「…この一週間、かずのこと考えなかった日なんてなかったよ。何をするにもかずがいないのが辛くて、辛くて。…俺、もうかずと付き合う前の生き方…忘れちゃったみたい…。」
和也「…うん…俺も…おなじ。」
カップルの喧嘩ごときで大袈裟だ。なんて思われるかもしれないが、俺達にとってはすごくすごく、仕事に影響が出るほどの大事件で。
もう俺のエネルギー源は完全に翔ちゃんなんだって思い知らされた。
翔「俺…もう、かずのこと傷つけたくない。頑張るから。頑張るから……かずも…頑張ってくれる…?」
芸能人なんだから顔が広いのも
女の人に優しくするのも当たり前。
…俺はこんなに自分に自信がある…はずなのに
結局は誰かに翔ちゃんが取られちゃわないか不安だったんだ。…なんだかんだ言って俺も、大したことない人間なんだな。
