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君と僕の世界(嵐)

第5章 遊園地デート



翔「何言ってんの!デートといえばウキウキでお洋服選んでさ、鏡の前でくるっと回って 彼氏くんかわいいって言ってくれるかなあ なんてドキドキしながら待ち合わせに向かうんだよ!家で待ち合わせなんて雰囲気0じゃん」


和也「変装するんだからお洋服もクソもなくない?」


翔「はい、口わる〜い。とにかく、俺たちはその日、アイドルじゃない。恋人同士のデートなんだから余計なこと考えないで。いいね?」


和也「ああ……うん、わかったよ…。」


翔「ふふ、よし、おっけ〜」


なんだかんだウキウキで鏡の前を回りそうなのは翔ちゃんの方みたいだけど。


和也「…。」


でも…なんか…。
待ち合わせ場所とか、洋服とかって…。
本格的にデート…するみたいだ。

何着ていこうかな、スウェットじゃだめだもんね。
…そうだ、この間の


翔「あれ?かずなにしてるの?」


和也「えっ?ああ、いや。別に」


翔「もう。ぼーっとしちゃって」

翔「ほら、早く行くよ〜。もう今日は作詞しないんだから。」


和也「ん?行くってどこに?」


翔ちゃんは俺のことを焦らすように書斎の電気に手をかけた。


せっかちだなあと思いつつ、急いでルーズリーフをまとめて、カップを手に翔ちゃんの元へ駆け寄る。

…すると、電気を消すより先に翔ちゃんは俺の手からそのアイスコーヒーを奪い、一気に飲み干した。


和也「ああ〜…まだ飲んでたのに。何すんの」



翔「ははっ、何って…」

翔「今夜も遅くまで楽しめるように。」


和也「!」

翔ちゃんは唇に残ったコーヒーをゆびで拭き取ると、
書斎の電気をパチリと消した。
窓から差し込む僅かな月の光が
翔ちゃんの横顔を照らす。


翔「ほら、行った行った〜」


和也「だ、だから!どこに!」


翔「どこにって決まってんでしょ〜」


和也「わ、ちょっと、押すなよ!」

和也「…っわ!」


廊下に出ると真っ暗で
頼りにするものが何も無い。

それなのに翔ちゃんは俺のことをグイグイ押すもんだから、よろけた俺はなにかにつまづいてしまった。

…でも、痛くない。


和也「あ…。」


カチ、という小さな効果音と共に
辺りが明るく照らされる。


…ベッドだ。


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