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ビタースイートに隠し味

第5章 Act.5☆

 そんなことを考えている間に、真都さんの身体が離れた。
 ナカから真都さん自身を抜かれると、少し淋しさを覚えた。

 真都さんは黙々と避妊具の後始末をする。
 そして、濡れそぼった私の秘所もティッシュで拭い、ひとしきり終わってから私に腕枕をした状態で横になった。

「いい加減、出しっぱなしの食器を片付けないと……」

 そう言いながら身じろぎするも、「ダメ」と真都さんは許してくれない。

「言っただろ? 今夜は寝かせない、って」

「食器を洗うのもダメなんですか……?」

「そんなの、朝になったらやればいいだろ?」

「――衛生上良くないです……」

「いいよ。どうせここは俺のウチなんだし」

「そうゆう問題じゃないですよ……」

「いいから。今夜は俺の好きなようにさせてもらう」

「――まさか、まだやる気ですか……?」

「少し休んで体力回復したらね」

「――何回目ですか……」

 私は深い溜め息を吐くのが精いっぱいだった。
 さすがに疲れている。
 いい加減寝たいと思うのだけど、本気で寝かせるつもりはないらしい。

 天使の面した悪魔が私に無邪気な笑みを向けてくる。
 怖いと思いつつ、もう諦めるしかないのかと覚悟を決めた。

「楽しみはこれからだよ、奈波?」

 甘いだけではない。
 私をどこまでも酔わせようとする魔力もある。
 真都さんはブランデー入りのアフォガードそのものだ。

 ――きっと、気付かないうちに溶かされてしまう。たくさん……

 真都さんに抱き締められながら、私はぼんやりと考えていた。

[ビタースイートに隠し味-End]
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