
Melting Sweet
第2章 Act.2
「どうでもいいけど、あんまり隣でペラペラ喋られるとかえって暑苦しくて堪らないわ。てか、なんで私と一緒にいるの? 同期や後輩の子達と行けばいいのに……」
「え? 一緒だと迷惑ですか?」
「迷惑とかそういう問題じゃ……。でも、一緒に行ったら周りに変に誤解されちゃうじゃない……」
「どうしてですか? もしや、実は恋人とか……」
「いないわよ」
杉本君が言いかけた言葉を、私は素早く遮って否定した。
「私はともかく、杉本君が困るでしょ? 君は私と違って誰からも好かれてるんだから。私なんかと噂を立てられたりなんかしたら、絶対職場にいづらくなるわよ?」
「別に困りませんよ」
精いっぱい突っぱねたつもりだったのに、杉本君は全く動じていない。
それどころか、先ほどにも増して満面の笑みを私に向けてくる。
「周りが言いたいならば、勝手に言わせておけばいいじゃないですか。そんなの、俺は全く気にしませんよ。――まあ、唐沢さんが迷惑だっつうんならば距離を置きますけど、そんなこともないでしょ?」
「――自意識過剰ね……」
「それが俺ですから」
私の嫌味も華麗に躱(かわ)し、杉本君は私と並んで歩き続ける。
「――勝手にしなさいな」
吐き捨てるように言い放った私は、居酒屋までだんまりを決め込んだ。
その間、杉本君は相変わらずよく喋っていたのだけど。
「え? 一緒だと迷惑ですか?」
「迷惑とかそういう問題じゃ……。でも、一緒に行ったら周りに変に誤解されちゃうじゃない……」
「どうしてですか? もしや、実は恋人とか……」
「いないわよ」
杉本君が言いかけた言葉を、私は素早く遮って否定した。
「私はともかく、杉本君が困るでしょ? 君は私と違って誰からも好かれてるんだから。私なんかと噂を立てられたりなんかしたら、絶対職場にいづらくなるわよ?」
「別に困りませんよ」
精いっぱい突っぱねたつもりだったのに、杉本君は全く動じていない。
それどころか、先ほどにも増して満面の笑みを私に向けてくる。
「周りが言いたいならば、勝手に言わせておけばいいじゃないですか。そんなの、俺は全く気にしませんよ。――まあ、唐沢さんが迷惑だっつうんならば距離を置きますけど、そんなこともないでしょ?」
「――自意識過剰ね……」
「それが俺ですから」
私の嫌味も華麗に躱(かわ)し、杉本君は私と並んで歩き続ける。
「――勝手にしなさいな」
吐き捨てるように言い放った私は、居酒屋までだんまりを決め込んだ。
その間、杉本君は相変わらずよく喋っていたのだけど。
