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ヌードモデルと凍った世界──FROZEN──

第3章 裸で軌道修正

実際のオンエアでくっきり見えたのは入口でのモデルの背中(お尻……)だけ。
モデルが庫内から窓に息を吹きかけても焼け石に水だったそうで、完全に失敗した企画だった。
でも、ネバーギブアップ。

当時のスタッフは卓抜したアイデアをひねり出したのだった。


田中さんが電話を入れて、先方の準備はできていると確かめると、私と田中さんはプリウスに乗り込んだ。

私は裸体にガウンだけだから、念のためスモークガラスの後部座席にした。

毛布からガウンに換えるわずかな露出の時間が社長夫妻への最後のサービスになったが、
私が下着も服も着てないのは、このあとにも裸を見せる人がいるからだ。

人脈その2、開業医。

車が着いたのは、水曜午後は休診という個人病院だった。

今がその水曜午後。
私は裏口から招き入れられた。

診察室には院長先生が一人だけ。
田中さんの高校のクラスメイトだ。

再び完全ヌードにされた私が丸椅子に座り、白衣の院長先生の診察を受けている。

今度のヌードシーンには遠慮がない。
私の裸体はすみずみまで撮られていく。

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