『ヌードモデルは『ミス・キャンバス』になれるのか』第3章「知佳の場合――レオタードの憧憬」　8ページ

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ヌードモデルは『ミス・キャンバス』になれるのか

第3章知佳の場合――レオタードの憧憬

裸は大丈夫、と知佳は言うが、
衆目を浴びても本当に平気かなぁと、裸ということでは一日の長がある私はすこし意地悪く思う。

まあ、バレエの話でもして緊張をほぐしましょうか。

――チュチュってすごいね。パンツ隠さないんだね。

私が言うと、バレリーナ・知佳はくすりと笑った。

女性の脚を見たい。
それだけの欲求がバレエのスカートをどんどん短くしていったのだそうだ。
だとすると、パンツはおまけだな。

（あれ、でも水平になったスカートは長いというか大きいよね。別系統の進化なのかな）

くるくる回るから脚とパンツを360゜見せることになるし、
男女デュエットでは、女性は腰をつかまれて持ち上げられ、すぐ降ろされたりする。
スカートを大きくはね上げて、脚とパンツを鑑賞させるために考え出された振付けとしか思えない。

なお、もちろんあれは下着（パンツ）ではなく、ツンという立派な衣装らしい。