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カントリーロード

第3章 小麦の滴

その女性は地面に転がり、そして、後ずさるように道路側に進んできた。

僕は暗がりの中、女性が誰だか見極めようとした。

女性が僕の方を振り返って見た。

まさか、家の前に誰かいるなんて思ってもみなかったのだろう。

一瞬、ぎょっとした顔になった。

そして、その後、目を見開いた。

「あっ…!」

彼女が発した言葉は、僕が誰かわかったという合図だった。

彼女は真琴さんだった。

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