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恋人はテニスウエア

第1章 伝説のスコート

さっきから、一般の利用者から何枚も撮影されている。女性だって堂々と大胆に撮っていく。
慣れるかと思ったけど、いつまでも恥ずかしい。
彼の格好も、白いポロシャツ、白い短パン。手抜きがない。
このコートだけ昭和なのだ。

……あれ、下に何を穿いてるの?
……たしかアンスコっていうのよ。
いま来たばかりの女性グループから、露骨な会話が聞こえた。さすが女子。遠慮がない。

「そっちのサービスだよ」
彼が声をかけてきた。

私はボールをバウンドさせてから、オーバーヘッド・サービス──最大にスコートがめくれ、アンダースコートが全開になる。その瞬間、後ろの女性グループから「きゃっ」という声が聞こえた。

あ、フォルト(失敗)だ。

私はスコートに手を入れ、アンダースコートのポケットからボールを取り出す。

まだ後ろにいた女性グループから、小さなどよめきが聞こえた。

女性が女性のお尻を見て面白いのかな?
それとも、自分からスコートをめくってパンチラサービスしたのが大胆だから?

スコアは気にしないでいいから、セカンドサービスもオーバーで。

あ、いつの間にかスコートがめくれても気にならなくなってきた。

気になるのは、部屋に戻ってから、彼からされること……。

いいリターンが来た。
私はスコートを翻してダッシュした。


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