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ミストレス・ラブ

第2章 初めてリハ

すりガラスになっている扉を開けると、ちょうど書類に目を通しているS先生と目が合った。

本当だったらH先生に話したかったけど、そういえばH先生はこのあとの夜の大人クラスの担当だったことを今になって思い出した。

「どうしたの、ここは生徒は立ち入り禁止よ」

「あの。代役のことでお話したいことがあって…なんていうか、その…」

「話があるのならはっきり言いなさい!」

S先生は書類の束でドンと机を叩き、私をにらめつけた。

私は思わず肩を震わせ、ゆっくり呼吸してから続けた。

「代役を、降ろさせてください…私には向いていないので…」

S先生はしばらく私をまっすぐ見つめててこう続けた

「残念ながら無理ね。私たちが決めた以上、あなたには続ける義務があるわ。」

義務って?そもそも私、あんなにひどいこと言われてたよね?

「で、でも見込み違いだと思うって、言ってたじゃないですか?」

率直な疑問をぶつけた。そうだ、もっと上手い子だって他にたくさん…

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