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ミストレス・ラブ

第3章 身体検査

びっくりして叫ぼうとも思ったけれど、ぐっとこらえた。

「すみません。わかりません」

声を絞って伝えるほかなかった。

S先生と二人きりー

合同レッスンの前には考えもしなかった今の状況をうまく飲み込めずにいた。

きっちりとしたオールバックに黒のロングドレス、レギンスを召していた。

アーモンド形の大きな瞳

眉にかかりそうなくらいにカールしたまつ毛

紅いいリップ ー

今にも吸い込まれそうだった。

「身体検査、と言ったら驚くかしら」

長い指を内腿のほうへ這わせていく 

そのまま太腿の全体をつかむ

タイツ越しにも伝わるひんやりとした感覚、そしてほんの少しの圧力

(ああ、いま先生が私の太腿に触れているー)

多感な少女なら嫌悪すら覚えるだろう状況を、私は受け入れていた。

これから私は先生の「所有物」になるのだ。

厳しい鍛錬に励み、美という崇高で不確かな正解を追い求めなければならない。

容赦なのない罵声も矯正のための鞭も拒否する余地はない。

それらは先生が私にくださった「ギフト」なのだから。

バレエにすべてを捧げる覚悟はあるかしら?

私の細くてもろい内腿を包む「それ」は問うているに違いなかった。

圧をかかった方へ導かれるように脚を上げていくー

- 答えはイエスだ。 

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