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ミストレス・ラブ

第1章 先生との出会い

先生方が私に告げたのは
・本番の主役の「アンダー(代役)」をお願いしたいこと。
・あくまでアンダーなので、過度な期待も緊張もしないように。
ということだった。

詳しく聞くと、もともとアンダーの子はいるけど海外のバレエ学校のオーディションに招かれたので、日程によっては発表会には出られないかもしれないということらしい。

つまりは代役の代役。なるほどな、と思った。

この話を帰りの車内でママにしたら
「あらあら大変じゃない」
と喜ぶどころか心配された。

私がとびきり上手いわけでもないのはママも知っているのだ。

バレエの世界は子供より親のほうが夢中になることが多いから、プレッシャーをかけられたりする子も多い。でも、うちは違う。
そういう意味ではなんというか、安心できた。

だけど私のモヤモヤはいつまでたっても晴れなかった。

代役の代役が必要なのはわかる。

でもなんで私なんだろう?

支部でなく本部にだって有望な子がたくさんいるのに…。

役を狙っていた子に、目をつけられたりしたらどうしよう。
主役で舞台に出ることがありませんように…

そんなことを考えながら車の外の夕焼けをぼんやり眺めた。

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