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ひとつ屋根の下の愛情論

第1章 強制的自立


すでに、律夏さんと義理のお母さんが前に住んでいた区営住宅は引き渡し、別の誰かが住んでいる。

すでに彼の実家はこことなるわけだが…一度も住んだことのない場所を実家だと思えないのも頷ける。



「鍵――――持ってますよね?いつでも来ていいんですから…」



「…あ~…」



うゎ…反応…薄いなぁ。


「あ――――、晩御飯食べていきません?今日は、鯖の味噌煮にするんで…」


新米兄弟だ、色々と誘って接点を作らなくては!


「あ――――…いいや、母さんに言われて様子を見に来ただけだから。帰る」



そう言うと、お茶だけ飲んで律夏さんは帰っていった。



流石…新米兄弟…接点もなければ会話もない!



一応――――…修学旅行の日程やホテルの連絡先などの紙を渡したし…


気になったら…家の様子を見に来てくれるだろう!



俺は一週間後の修学旅行の印をカレンダーに記した。



「4泊5日の修学旅行――――…楽しみだなぁ」



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