ひとつ屋根の下の愛情論
第1章 強制的自立
高校3年の出だしは好調だった!
最後の高校生活をエンジョイしようと色々と考えたが、最初は生活のリズムをつかむのに必死で修学旅行が間近に迫っていることも…後手に回っていた。
そんな時、受験の山場を終えた律夏さんが様子を見に来てくれた。
相変わらず、カッコいいが……新米兄弟は話すネタがないので…困った。
「なぁ、もうすぐ修学旅行じゃねぇ~の?」
居間のソファに座り俺の入れたお茶を飲みながら間近に迫っていた修学旅行にふれた。
「あ~、時期ですね――――…沖縄に行く予定ですが。家を空けちゃうのが心配です。律夏さん…俺がいない間…住みます?」
ちょっと、ふざけて言ってみた。ちょっと、雑な冗談だが、笑ってくれるだろうか?
「は?なんで、やだよ――――面倒くせぇ…ぶっちゃけ、ここ実家って感じしねぇよ…」
「ハハハ…そ、そうですよね。他人様の家ど真ん中ですよね」