ひとつ屋根の下の愛情論
第8章 学校と無条件の愛
「いってきます…」
「おぅ、行ってこい」
今日から学校に行くことになった俺は、時間を気にしながら玄関をでる。
何故か、いつもより出る時間が遅い律夏に見送られ――――背中がむず痒い。
久しぶりに朝…忙しかった。
「こんなに朝って…慌ただしかった?」
と、律夏に聞くと
「1ヶ月前と変わらんだろ?」
と、サラッと返された。テンパっていたのは自分だけかよ…と、思うと焦るのをやめた。
そのせいか、玄関では少し余裕が出来た。
すでに外は暑く、俺がクーラーの下快適に過ごしていたのが贅沢に思えてきた。
1ヶ月…俺が休んでいた間……多分いろんな事が学校ではあっただろう、早くその輪に入りたい。