ひとつ屋根の下の愛情論
第8章 学校と無条件の愛
「1ヶ月ぐらいじゃ――――…浦島太郎にならねぇよ…」
そう言われて……「そうか…」と、納得したが――――俺のなかでは何百年も時がたった感じがしていたから…変な感じがする。
それは――――…
「皆は変わってなかった……変わったのは…俺だったって…実感した」
たぶん…そう言うことだ…
「なんじゃそりゃ……詩人か」
ちゃかされて、俺はくっついていた背中で律夏の背中を攻撃した!
「痛ってぇ!秋音おまえ!」
「――――…自分が汚い…って…感じたって…ことだよ!」
自分の口から…ポロッとでた言葉に俺は慌てて口を押さえた!
「は?――――そんな事…思ってたのかよ…バカか。
お前は汚くない――――…大丈夫だ…
もし、万が一お前が汚かろうが臭かろうが…俺は関係なく…お前の隣に寝れるし、一緒に飯食えるし…抱きしめられる」
そう言うと――――…
律夏は背中を離し――――…俺の方を向いて…
俺を後ろから抱きしめた…
「無条件に――――愛してやる」
そう言われ…俺の中のモヤモヤした霧が晴れそうな気がした。
が――――――――…
「俺たちは――――家族で…兄弟だろ?」
――――家族
――――兄弟
ドン…ドン――――と、二つの壁が…俺の何かを封印した。
無条件の愛
それは――――家族だから…
兄弟だから…