ひとつ屋根の下の愛情論
第8章 学校と無条件の愛
その夜は――――なんだか寝付けなくて…
律夏とくっつけた背中がやけに熱くて…
ドキドキが――――ドキドキが…
怖かった。
このドキドキが…律夏に伝わったらどうしよう…
それが…怖かった。
必死に目を閉じると、背中の熱が――――…
風呂場での自慰中のなんとも言えない…甘く苦しい熱へと変わりそうだ。
「――――どうした?眠れねぇのか?」
ビクッと体が跳ねると「フッ」と笑われる。
「まぁ、久しぶりの学校だったしな…緊張したんだろ?」
あ――――…そうだった…俺、学校に行ったんだ…
「あ~…うん、皆…元気そだった。案外、普通に過ごせた――――浦島太郎感はなかった」
「なんだよ、浦島太郎感って…」