ひとつ屋根の下の愛情論
第10章 裏表の夏
「――――アイツの事…」
次に出てくる言葉を俺は飲み込んだ。
“家族”“兄弟”
と、宣言されている人間から…次の言葉は…迷惑の何者でもない。
「――――多分…気のせい」
俺はお金と一緒にその手をポケットに突っ込んだ。
家に帰ると――――…
な今まで避けていた居間のソファに座ることが出来た。
キッチンも居間も――――…何故か大丈夫になっていた。
「…不思議」
そう思うと…
俺はソファに横になり――――…目を閉じた。
そして…そのまま――――…眠りに…落ちた。