ひとつ屋根の下の愛情論
第10章 裏表の夏
アイツへの――――思い。
精神的侮辱行為への――――快感。
肉体的苦痛の――――興奮。
横沢さんを抱きながら…俺はアイツの視線を欲したし、“もし…見てくれたら”などと考えながら…腰を振り続けた。
あんなに理不尽な事をお願いされながらも…その理不尽さに身を震わせた。
精神的に侮辱され俺は…“軽視するのに俺は欲しいんだ”と、言う思考に勃起した。
そして、初めての挿入で「痛い――――やだ!待って!」と、涙をにじませる彼女に自分を重ね――――更なる興奮を得た。
さらに――――…「痛い、痛い」ともがく彼女が俺の肩に爪を立てた瞬間――――…コンドームの中は精液で満たされた。
精神的…肉体的に俺は傷つけられ――――…
興奮した。
だが、更に興奮したのは――――…
その苦痛の全てを…
アイツ――――律夏にしてもらいたいと…最初から最後まで思っていたことだ。