ひとつ屋根の下の愛情論
第11章 弟の成長と嫉妬
嫉妬と興味で俺の頭はぐちゃぐちゃだった。
しかし――――無意識に向かう足は…
すでに明かりのついている、秋音のいる家だった。
昼寝から目覚めたのだろうか――――…玄関にも部屋にも電気がついている。
「結局――――…戻ってきちまう」
玄関の扉を開けると…居間に電気がついている……
女を抱いて――――…トラウマから解放されたらしい…
次は……つ～か、今か…？
今は…喜んでやろう――――――――…
俺は腹に力を入れて「ただいま！」と、声を出した。
「――――あ～…おかえり、飯できてるぞ？」
キッチンの方から…アイツの声が聞こえた。
――――どんな風に…乱れ交わったんだ？
俺にも…見せて――――くれ…
居間の扉を開ける手前で再び腹に力を入れた。
“弟”の成長を――――…喜べ…
喜べ――――…
喜べ――――…喜べ…喜べ…
喜べ…ない――――…
俺は…最低の――――“兄”だ…
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