ひとつ屋根の下の愛情論
第12章 沈殿する記憶と思い
金江に進められ酒を飲む律夏の苛立つ顔や木戸を睨む視線に――――俺は背中がゾクゾクしていた。
ワイルドな――――睨み付けは…
なんとも言えず…セクシーだ…
「弟くんって――――律夏先輩に似てないっすね!」
「――――あ、あ~ですね…血は繋がっていないので」
木戸に話しかけられドキッとした…
“血は繋がっていない”と、普通に口からでたが――――…
その言葉に心が軽くなった――――!
そう、俺と律夏は――――
本当の兄弟じゃ…ない。
兄弟じゃ――――ない…
そこには…少しの希望が見えた。