ひとつ屋根の下の愛情論
第12章 沈殿する記憶と思い
結局――――…金江が店を選び大人な雰囲気の少しコジャレた場所での食事となった。
「えらく…頑張りましたね~!金江先生――――律夏先輩と食事行きたがってたから張り切っちゃって!」
俺の隣に座った木戸が耳打ちするように話しかける。
金江が選んだレストランは、ど~考えても高校生の俺には場違いで…帰りたくてしょうがなかった。
しかし、金江は俺にはお構いなしで――――律夏と二人っきりになることを望んでいるようだ…
「居心地悪かったら帰っていいからね!」と、言いたげな雰囲気を出していた。
「まぁ、ブッチするなら俺も付き合うっすよ!俺たち年近いし話が会うかも!」
ヘラヘラした木戸は歴史以外はまるっきりダメ人間らしくノリは軽くチャラい感じがした。
話していて楽だが――――…時折…木戸を睨む律夏の視線に…木戸が嫌いになりそうだった。